必要なものをすべて見る
読むべき小説、見ておくべき映画、絶対に○○すべき作品、という言葉が世の中に溢れています。
大体は傑作と呼ばれる作品がこう表現されます。薦める人がいるのですから、少なくともその作品の面白さはその人が担保してくれています。その面白さが自分に合うかどうかは別ですが、極端なハズレを引くことはあまりない、と言えるでしょう。親切です。
一方で、面白さ以外の面から作品を推す人も居ます。映画で言えば「この映画はカメラワークが素晴らしい」「演出が見事」など。本や漫画で言えば「伏線の張り方が見事」「表現が凄い」等でしょうか。よく言われます。
言われた全てを見ることは不可能です。絶対に見ておきたい100の映画とか、死ぬまでに読みたい100の本とか言われても、大体の人はその中から自分が興味を持った作品を拾って触れることでしょう。かつてとある大学のSF研では、有名なSF作品は全て読んだ前提で会話がなされていた、という話がありますが、普通はそこまで辿り着くことは出来ません。
必要なものをすべて見る必要があるとして、取捨選択を行う場合、どうやって見るもの、見ないものを決めるのか。言い換えれば、必要の中でより必要なものを選別するか、ということになります。基準はあくまでその人の中にあるので、ここから先の選択は他の人の手が入る余地がありません。
見たいものを見ましょう、と言うことです。